株式市場に見逃しの三振は無い、絶好球がくるまで待って打てばよい
前回の記事で株式投資家レベルとして、「知識と経験をもとに優良銘柄を選び大量に買う」ことを【レベル2】として定義しましたが、大量に買うことに関して指針としている格言があります。
『株式市場に見逃しの三振は無い、絶好球がくるまで待って打てばよい』
これは投資家として敬愛するウォーレン・バフェット氏の言葉です。
バフェット氏と言えば、バフェット銘柄という言葉があるぐらい銘柄選択の極意についての言葉、例えば「経済的な堀がある銘柄を選ぶ」「理解できない企業には投資しない」など、が有名ですが、この言葉は投資するタイミングに関するものです。
野球では、2ストライクからストライクゾーンぎりぎりのボールが来た場合、見逃してしまうと三振でアウトになってしまいます。従って、バットを振って打ちに行きますが、ストライクゾーンぎりぎりのボールでは、打ち損じる又は空振りの三振になる確率が高くなります。
しかし、株式投資では見逃すことで三振になることはありません。従って、ストライクゾーンぎりぎりのボールは見逃し続け、ど真ん中の絶好球、野球用語でのホームランボール、がきたときのみバットを振れば、ホームランを打てる確率が高くなることをこの格言は示しています。
この格言、プロの投資家には当てはまりません。プロの投資家の場合、3か月とか半年といった決算があるため、その期間ずっと見逃すわけにはいかず、くさいボールを打ちに行く必要があります。そのため、ホームランを打てる確率は下がることになります。
個人投資家の場合、決算は無く見逃し続けることができるため、ここが個人投資家がプロに勝てるポイントとも言えます。
この格言を実行するにあたり、必要なことがふたつあります。
ひとつは、ホームランボールを見極めるための知識や経験であり、もうひとつはそれを待ち続けることができる意思です。
株式投資でのホームランボールとは、超優良銘柄が超格安になるタイミングであり、
それを見極めるためには、超優良企業の選択と適正価格を算出するための知識と経験が必要です。そして適正価格と市場価格とが乖離するタイミングをひたすら待ち続けることができれば、株式投資でのホームランが打てる確率が高くなります。
ちなみにバフェット氏は、投資する銘柄を見定めてから、ホームランボールが来るまで数年間も待ち続けたことや、場合によっては投資を見送ったこともあるそうです。
普通であれば銘柄を見定めた時点で満足し、少しでも甘いボールが来たら振りに行ってしまうところですが、あれだけの投資実績を得るにはそれだけの時間軸を持って投資する必要があるのだとあらためて尊敬します。
ホームランボールをひたすら待ち、それが来たら可能な限りの投資資金を投入することで、「知識と経験をもとに優良銘柄を選び大量に買う」【レベル2】に到達することが可能となります。